今回は虫歯について⭐

 

一般的に広く「虫歯」と呼ばれる病気ですが、

歯科医院では「カリエス」や「う蝕(うしょく)」、「C(しー)」という呼び方をしています。

歯の検診で「C」と聞いた事がある方も多いのではないでしょうか。

細かく分けるとCにも1~4の段階があったり

削らなくてもいいけど虫歯進みかけているよ、という初期う蝕というものがあったり

根っこにまで影響が出ている「Pul(ぷる)」や「Per(ぺる)」などなど

一言に虫歯といってもいろんな段階があります。

 

では虫歯はどのように始まって、どのように進行していくんでしょうか?

ご存じじゃない方はぜひ一度読んでみてくださいね。

 

脱灰

脱灰とは、歯のエナメル質や象牙質からミネラル(主にカルシウムやリン酸)が溶け出す現象です。

口腔内のプラーク(歯垢、歯石)の中にいる細菌が糖をたべて酸を作り出します。

ここで作り出された酸が歯の組織を溶かしていきます。

pHが5.5以下になるとエナメル質が溶け始め、象牙質ではさらに低いpHで脱灰が進行します。

つまり、口の中に酸が増えて酸性に傾いてくると、歯は溶けていってしまうのです。

象牙質は固いエナメル質の中にある組織で、低いpHで脱灰が進行するということは

そこまで進んでしまうとあっという間に虫歯が歯の中に広がっていってしまう、ということですね。

 

初期のう蝕は白い斑点や色の変化として見えることがあります。

初期段階では痛みが出ません。

この時点でしっかりと治療・進行の予防をしていくことが大事です。

 

 

再石灰化

再石灰化は、脱灰によって失われたミネラル(カルシウムやリン酸など)を歯に再度取り込み、

歯の硬さや構造を修復する過程です。

 

この再石灰化を助けてくれるのが唾液です。

唾液の中にはカルシウムやリン酸などのミネラルが含まれており、

そのミネラルを取り込んで溶けてしまった歯を元に戻そうとする働きをしています。

 

脱灰と再石灰化をお口の中ではずっと繰り返しているわけです。

 

虫歯が進行してしまうのは、脱灰に再石灰化が追い付かなくなってしまった…

つまりバランスよく繰り返されていた脱灰と石灰化のサイクルが崩れてしまったから起こる病気なんです。

ここのサイクルを正常に戻していかないと

虫歯が何度も何度も繰り返してしまいます。

 

ちなみによく聞く「フッ素(フッ化物)」ですが

再石灰化を促進してエナメル質を強くする効果があります。

酸に負けづらい歯を作ってくれる優れものです。

フッ素症や体への影響を気にされるかたもいらっしゃいますが、

日本で定められている使用量を守っていれば、大きな問題は起こりません。

 

 

フッ化物採取することにより起こる嘔吐などの消化器症状は体重に比例します。

2mg/kgなので50kgの成人だと 中毒量は100mgですね。

100mgのフッ化物を摂取するためには1450ppmの歯磨き粉を1本丸呑みするくらいの量を摂取しなければなりません。

大抵の薬に同じことが言えるかと思いますが、

摂りすぎは禁物ということですね。

 

フッ化物から受ける悪影響よりもメリットのほうが大幅に上回りますので

なんらかの理由で強い拒否感がある、ということがなければ使っておいて損はないかなと思います。

体重の小さい0歳~3歳の子の誤飲には十分気を付けてあげましょう。

 

脱灰と再石灰化のバランスを整えるために…

予防と管理

上で書いた通り、う蝕予防には脱灰と再石灰化のバランスを保つことが重要です。

 

  1. 適切な口腔ケア: 歯磨きやフロスによるプラークの除去が基本です。特にフッ素入りの歯磨き粉を使用することで再石灰化が促進されます。
  2. バランスの取れた食生活: 糖分の多い食品や飲料の摂取を控え、カルシウムやリン酸を含む食品を積極的に摂取することが大切です。
  3. 定期的な歯科検診: 早期のう蝕発見や適切な予防処置が行われます。

 

上記を心掛けることで、虫歯が進行しない口腔内をつくっていくことができます。

 

どんなケアが必要なのか、

食生活を改善するにはどこから変えていけばいいのか

自分にあったメインテナンスの頻度は??

 

など気になることがあれば

担当の歯科医師や歯科衛生士に一度聞いてみてくださいね!

医療法人阡周会