神話と伝承
こんにちは。Dr.Iです。
先日の台風21号では、直撃のため当院も休診とさせていただきました。
ご来院を予定されていた患者様には申し訳ございませんが、状況が状況だけになにとぞご理解いただきますようお願い申しあげます。
さてその台風のため関西地方では200万軒あまりの大規模停電が生じてしましました。
電力会社も把握できないレベルだったそうで、情報の遅れに苛立ちもしましたが、状況的には仕方なかったのだなあと思います。
とはいえ二日間の断水はこたえました。
かなりの数の集合住宅で起こったようですが、貯水タンクがある住居ではポンプで水をくみ上げるため、
停電になるとポンプが止まって断水になってしまったのだそうです。
恥ずかしながらここを予測していなかったため、断水になってから慌てて周囲の浴場施設の営業を確認してみたり、
ポリタンクを購入してみたりと後手後手の対応になってしまいました。
状況をきっちり予測した上で対策/準備をしておかなければならない、当たり前のことではありますが、そんな教訓が身にしみた台風21号でした。
ところで、記紀におけるスサノオ/ヤマタノオロチ伝説。
要約すればヤマタノオロチがクシナダヒメをさらうのを防ぐためにスサノオが知略を尽くし、
酒にオロチを酔わせて眠らせてから退治したという神話です。
古来からヤマタノオロチ=水害というのは定説ですが、今夏中国地方で起こった土砂崩れを空撮すれば、
まさに山肌を蛇が這うが如く、です。
この神話を解釈すれば、水害が稲田をダメにするのでスサノオが防災設備を造った、ということでしょう。
記紀ではクシナダ(奇稲田、櫛名田)ですが、スサノオを祀る八重垣神社ではそのまま「稲田姫」として祀られています。
念のため八重垣神社の祭神はスサノオ(素戔嗚尊)とイナダヒメ(稲田姫命)です。
クシナダの父はスサノオにより稲田宮の宮主に任じられます。酒樽でオロチを眠らせたというのは
木製の設備で土砂災害/水害を防いだということでしょうし、「八重『垣』」神社の名称がその事を追補してもいます。
ヤマタは八股か八復かで議論の分かれる処ではありますが、八重垣からは八復=幾度となく繰り返す、ということが連想されます。
いずれにしろこのお話は、「来るべき災害には準備万端で立ち向かう」という教訓を示しています。
もう少し話を広げれば、当然、
日頃の診療においてもあらゆる場面に対応しなければならない、とも考えられます。
患者様の口腔内を健康に保つために、常日頃から努力研鑽することを誓って、この項を終えたいと存じます。