
日常生活の中で、ふとした瞬間に「自分の口臭が気になる」「この人、ちゃんとケアしているのかな?」と感じたことはありませんか?
第一三共ヘルスケア株式会社が2021年に行った調査によると、約半数の人が「自分の口臭ケアはしっかりできている」と答えた一方で、7割以上の方が「口臭が気になる」と感じていることがわかりました。さらに、6割以上の方がマスクを外して会話をするときに、自分の口臭を気にしているそうです。
口臭はとてもデリケートな問題です。自分では気づきにくい上に、他人にも指摘されにくいため、気がついたら放置されていることも少なくありません。この機会に、ぜひご自身の口臭ケアを見直してみましょう。
口臭の原因

口臭の原因は一つではなく、多岐にわたります。以下が代表的なものです。
- 口腔衛生の不良
- 口の乾燥(ドライマウス)
- 食べ物(ニンニクやアルコールなど)
- 喫煙
- 歯周病
- 消化器系の問題
- 鼻や副鼻腔炎、のどの感染症
- 糖尿病、肝臓病、腎臓病などの全身的な疾患
- 精神的なもの(過剰な心配)
- 特に持病がない場合、口臭の多くは口腔内に原因があります。
自分で口臭は改善できる?

自宅でのセルフケアでも、口臭の改善は可能です。
① 口腔衛生の徹底
毎日の歯磨きをしっかりと行いましょう。少なくとも1日2回、2分間しっかりと歯を磨くことが重要です。歯と歯茎の境目や奥歯は特に磨き残しが多く、口臭の原因となることがあるため、注意深く磨いてください。また、歯ブラシだけでは歯と歯の間の隙間を清掃できないため、フロスや歯間ブラシの使用をおすすめします。
舌の汚れ(舌苔)が口臭の原因になることもありますので、舌ブラシで舌の表面を優しく清掃するのも効果的です。ただし、舌はデリケートな組織なので、力を入れて磨いたり頻繁に清掃したりすることは避けましょう。舌を傷つけたり、細菌のバランスを崩したりすると、かえって口臭が悪化することがあります。
② こまめな水分補給とマッサージ
水分をしっかり摂り、口内の乾燥を防ぐことが大切です。唾液の分泌を促すため、唾液腺を軽くマッサージするのも効果的です。唾液腺は以下の場所にあります。
顎下腺:耳の下から顎の下あたりを軽く押す(大顎の骨の内側を押す)
耳下腺:指を耳の前に当て、上の奥歯のあたりを回すようにマッサージ
舌下腺:顎の下を親指で押すようにマッサージ(大顎の骨の内側を押す)
③ 食生活の改善
強い臭いを発生させるニンニクや玉ねぎ、アルコールなどの食品を控えましょう。食後は歯磨きやうがいを行い、食べかすを洗い流すことで口臭を防ぐことができます。
④ 禁煙
喫煙は口臭の大きな原因の一つです。禁煙することで、口臭の改善が期待できます。
口臭はどこで治せる?

口臭が気になる方は、まず歯科医院での診察を受けることをおすすめします。歯科医院では以下のような治療を行い、口臭改善に取り組みます。
また、口臭の原因が口腔内にない場合、消化器内科や耳鼻咽喉科での受診も検討しましょう。
口臭の治療法

歯科医院で行える治療
① 歯周病治療
口臭の主な原因の一つである歯周病は、歯と歯茎の間に汚れや細菌が溜まることで進行します。歯科医院では、歯石の除去や歯周ポケットの洗浄を行い、歯周病を改善することで口臭を軽減します。
② 虫歯の治療
虫歯が進行すると、虫歯部分に食べ物のカスや細菌が溜まり、悪臭を放つようになります。虫歯の治療を行うことで、口臭の改善が期待できます。
③ 口腔内の清掃指導
歯科医師や歯科衛生士から正しいブラッシングやフロスの使用方法を学ぶことで、口臭の原因となる食べかすや歯垢、細菌の蓄積を防ぐことができます。
④ 口腔乾燥症の治療
口腔乾燥症は唾液の分泌が減少することで口臭を引き起こします。歯科医院では、唾液の分泌を促す治療や保湿剤の使用を提案します。
その他の病院受診
口臭の原因が口腔内にない場合は、消化器内科や耳鼻咽喉科で適切な治療を受けることができます。
口臭が気になる状態では、人とのコミュニケーションに自信を持ちづらくなることもあります。そんなお悩みがある方は、ぜひ一度歯科医院で診察を受けてみてください。適切な治療で、口臭を改善し、明るい笑顔を取り戻しましょう。